ジャックラッセルテリアの歴史

皆さんは、愛犬の犬種の歴史を知っておりますでしょうか。今回はジャックラッセルテリアの歴史をご紹介します。愛犬がどのような歴史をたどってきたのか覗いてみましょう。

ジャックラッセルテリアとパーソンラッセルテリア
世界で一番大きなそして権威のある犬団体、FCI(国際畜犬連盟)に最初に認められたジャックラッセル・テリアは、もともとパーソン・ジャック・ラッセル・テリアと呼ばれていた「パーソン・ラッセル・テリア」である。パーソンというのは牧師でつまり、この犬種を最初に作ったジョン(ジャック)・ラッセル牧師にちなんだ名前だ。スタンダードは原産国のイギリスで作られたもの。つまり英国ケネルクラブ(FCIには属していない)の犬であるが、その他のテリア同様FCIにも認められている。
ジャック・ラッセルには純血種として最近認められたもう一種のテリアがいる。その名は「ジャック・ラッセル・テリア」。オーストラリアでスタンダードが作られた。これらオージー生まれのラッセル・テリアはパーソン・ラッセル・テリアよりも脚が短いのが特徴だ。オーストラリア・ケネルクラブでスタンダードが認められたのは1990年のこと。そして10年遅れて2001年にFCIでパーソン・ラッセル・テリアとは別の、正式犬種として登録される。

その歴史
イギリスでは騎乗してキツネを狩るのが古くからの伝統だ。このときに、一群のフォックスハウンドと共に走るのは有名な光景だが、ハウンドとは別に地中で活躍する犬も伴っていた。ハウンドの仕事は、キツネを嗅覚で探し追いかけること。そして地中犬の役割は、追い詰められ穴に逃げ隠れたキツネを、ハウンドが狩れるように穴から追い出すこと。この地中犬、即ちテリア(地の犬という意味)は、イギリス各地方のハント(貴族の猟犬犬舎)で、ハウンド犬とともにその土地にあった均一なタイプで作出されていた。特に白いテリアは人気で、すでに1600年代あたりからキツネ狩り用テリア(=フォックス・テリア)として持て囃されていた。
ジョン・ラッセルの生きていた頃、1800年代は特にキツネ狩り全盛時代。フォックス・テリアの需要は非常に高かった。パーソン・ジャック・ラッセル・テリアが作られたのは、以上のような時代背景があったのをまず理解されたい。
ここで留意したいのは、馬とハウンドのテンポについていける犬というのは、どんな姿をした犬であるか、ということ。フォックステリアの原型としてのパーソン・ラッセル・テリアを理解するうえでのキーとなるだろう。テリアには様々な見かけと種類がいるが、ことフォックステリアとして機能するためには、地中に潜れるほどの小ささと、早く走れる足の長さの両方を兼ね備えていなければならなかった。

イギリス、デボン州のジョン・ラッセルは牧師として仕えながら、同時に猟が大好き。ハウンドの犬舎とキツネ猟に適した白いフォックス・テリアをパック(群れ)として繁殖していた。犬に携わる彼はショー・ジャッジとして活躍していた。しかし彼の作出するテリアは完全に猟向けで、まったくショーでは使い物にならなかったそうだ。彼は、均一な特定の姿をした犬種を作る、ということよりも、キツネ猟で使い物になるテリアを作出することに情熱を注いだのだ。

短足ジャックラッセルテリアの登場
オーストラリアで認められているジャック・ラッセル・テリアがパーソン・ラッセル・テリアと異なる点は、その体のプロポーションである。パーソンの方が脚が長く、全体的に正方形の体型。一方で、ジャックは、脚が短く長方形の体型である。
実はパーソン・ジョン・ラッセルの死後、パーソンテリアは本来の脚長犬と短足犬の二つのラインに分かれる。短足犬起源にはいくつかの説がある。
アーサー・ハインマンもジョン・ラッセルと同様に「使い物になるフォックステリア」作出に貢献した。パーソンタイプのフォックステリアを保存する一方で、彼はアナグマ猟で働けるテリアを作ることにも意欲をもやした。アナグマ猟では馬の乗って行うことはない。アナグマの巣穴をみつけたら、そこに犬を送りアナグマをひとところに留めておく。そして猟師は犬の吠え声を頼りに、地上からアナグマのいるところをおおよそつきとめ、シャベルで掘り、止めをさす。キツネを追い出すテリアとちがって、攻撃的で危険なアナグマをひとところに留めておく犬には、精神的な強靭さが求められる。そこで、アーサーはパーソンの犬にブルテリアなどを掛け合わせた。その結果脚の短い頑丈なタイプのテリアが生まれた。馬と走る必要がないから、アナグマ猟の犬は脚長でなくてもいいのである。

何故オーストラリア?
ジャック・ラッセル・テリアは原産国がオーストラリアとなっている。FCIもジャックラッセルという犬種として認める際(パーソンと区別をして)に、オーストラリアのスタンダードをそのまま採用した。しかしこの犬種はもともとイギリスが元ではなかったのか?
オーストラリアにジャックラッセルテリアが入ってきたのは、1960年代から70年代にかけて。それもイギリスのハントからである。オーストラリアはその後1972年にブリードクラブを創立して、完全に血統登録をするようになった。何しろ数が限られているのだから、しっかり管理する必要がある。スタンダードもつくり、綿密に繁殖を行った。ここがイギリスとの大きな違いとなる。イギリスも1974年にジャック・ラッセル・テリア・クラブ・オブ・グレートブリテンを創立するのだが、なにしろジャックラッセルは周りにいくらでもいて、オーストラリアほど細かく綿密に血統管理をしなかった。その意味で、オーストラリアのジャックラッセルは均一な個体群となり、ついには1990年にオーストラリアのケネルクラブに純血種として認められることになったのだ。

グループ3 テリア

・文:藤田りか子

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